少し遅くなりましたが、1月の仏教ヨガ講座でお話させて頂いた内容です。
皆様明けましておめでとうございます!今年も一年どうぞよろしくお願いいたします。
この仏教ヨガ講座は月に一度ですので、1年に全12回ございます。雨が降る日もあるでしょう、風が吹く日もあるでしょう。腰が痛い、テンションが上がらない、と、平坦な毎日ではありませんが、月に一度の自分のメンテナンスとして是非全12回皆勤賞を今年の抱負にして頂き、健康にヨガを楽しんで頂きたいなと思います。
ここに参加すること以外にもお正月に今年の抱負を決めた方も多くいらっしゃると思います。auのCMで「やったことないことやってみよう」とパワフルな映像が流れています。それを見て新しいことを始めようと思った方も多いのでは?皆さん何を決めたか覚えていますか?もう忘れてしまいましたか?笑。まだ1ヶ月も経っていませんよ。
全てにおいてそうですが何かアクションを起こすとき、モチベーションがそれを大きく左右させます。はじめはいいかもしれませんがそのモチベーションを持続させることは簡単ではありません。
仕事が忙しいから、子育てで大変だから、今日はそんな気分じゃない、他に用事があるから等、次から次へと色々理由がでてきます。
そしてできなかった自分に自信が持てなくなってしまうこともあります。
さて、私たちの真実の生き方を妨げるもの、それを仏教では煩悩と呼んでいます。これが働き、ああでもない,こうでもないと色々迷い、苦しむわけです。それを細かく分けると108あるといいます。そこで、その一つ一つを鐘の音と共に消していくのが、除夜の鐘です。何とも言えぬ重厚感のある響きは日本人の心に響きます。あの鐘が一つ鳴るごとに、煩悩が1つずつ消えていく。そして108鳴ると、煩悩が全部なくなってしまいます。ところが、そうすれば、もう次の年から除夜の鐘はいらなくてすむはずですね。それなのに、除夜の鐘を毎年撞く。どうしてでしょう。
私たちの心は弱いもので、煩悩を一度消したとしても、また出てくるのです。ホコリやアカと同じですね。一度きれいにしても、いつのまにかまた溜まっている。煩悩もそうで、一度きれいにしても、いつのまにかまた心が汚れてしまいます。
お念仏を唯一の修行とする浄土宗の宗祖法然上人は、こうおっしゃっております。「心をしずめ、妄念を起こさないでお念仏をしようと思うのは、生まれつきもっている目や鼻をとってから念仏しようと思うのと同じである」だから、煩悩をなくしてからやろうなんて思っていてはいつまで経ってもできっこないのです。そうではなく、私たちに出来ることは、煩悩をもったまま、仏さまにすべてをお任せし、ありのままの姿でお念仏を申すことなのです。
そうすることでお念仏の声の中におのずと信仰心が表れて、お念仏の大切さがありありと浮き出てくるのです。
忙しいなら忙しいなりにやる。気持ちが乗らないのであれば気持ちが乗らないなりにやる。そうしていくことで実践の中に道しるべが見えてくるのではないでしょうか。
お念仏もヨガも、始めるのに道具もいらなければスペースもかかりません。いつでもどこでも誰でもできるものであり、できない理由など本来はないのです。
次回は2/1水曜日19時からです。
http://www.bdk.or.jp/event/yoga.html