Yuuka




皆様こんばんは。早いもので12月、今年最後の仏教ヨガ講座となりました。
12月といえば、1年を振り返り反省し、来年にむけて準備をする時期でもありますね。
浄土宗でもこの時期、罪を懺悔し身も心もきれいになるよう祈念する仏名会を行います。
『仏名経』というお経にあるおよそ1万3000もの仏・菩薩の名を読み上げれば、平穏な 日々を過ごせ、諸難から離れ、諸罪が消え、将来、悟りが得られる、と説かれてあります。
皆さんは1年を振り返ってみていかがでしたでしょうか?犯罪なんて犯していないよという方もいらっしゃると思いますが、普段気づかないような小さな罪、例えば食事を摂る事も沢山の命を頂いていますよね、私たちは罪を犯さずには生きていけないのです。そんなことを改めて考えるきっかけになるのではないでしょうか。また、ヨガは日々の癖やストレスなどで偏ってしまう心と体を軌道修正してくれる効果があります。今日は今年1年の間、気づかぬうちに積み重ねている悪い癖を修正し、さっぱりと気持ちよく新しい年を迎えられるように準備を始めて行きましょう。




さて、来週火曜日128日は、お釈迦様がお悟りを開かれた日であり、それを感謝して「成道会」という法会を各寺院で行っています。シャカ族の王として生まれ、なに不自由のない裕福な生活を送っていたお釈迦さまが、人の世が生老病死の苦に満ちていることを見抜き、そうした苦しみから解放される道を求めて出家を決意したのが29歳のことです。
お釈迦さまは「人はなぜに病に苦しみ、老いに戸惑い、そして死の恐怖に苛まれるのか。それなのに、人はなぜ生まれてくるのか」という答えの出ない人生の問題に深く悩み、「不死の境地」を追い求めて出家して、苦行の道に入ったとされています。しかし、苦行をすることで苦しみから解放されることはありませんでした。6年にも及ぶ苦行でやつれてしまった体を村娘(スジャータ)の供養した乳粥でいやし、大きな菩提樹の下で深い瞑想に入りました。そして明けの明星が輝く頃、言い知れぬ境地に達し、ついにお悟りを開かれ、仏陀(覚者)となられました。35歳のときでした。
お釈迦様の教え、その一つに「中道」という教えがあります。
裕福な暮らしと苦行という両極端を経験されたお釈迦様。どちらの道でも悟りを得ることが出来なかった。その経験をふまえ、極端から離れた自由な精神、すなわち不苦不楽「中道」の教えを、お釈迦さまは初めての説法で弟子たちに伝えたとされており、教えの実践の核心であるともいわれているのです。



日常においても、私たちは知らず知らずのうちにこれでなければならないと意地をはったり、今やっている事で精一杯で周りが見えなくなってしまったりと、結局は自分を苦しめてしまう偏った事をしてしまいがちです。まずは自分をよく観察するゆとりを持ち、偏っていることに気づくことが第一歩なのではないかなあと日々反省しております。
ヨガの練習者の中で使う「オフザマット」という言葉があります。マットの上での練習で得たものを、マットから離れた場面でこそ生かしていきましょうという考えです。今日は自分と向き合い、極端を離れ、「中道」を見つけていくヨガを実際に行ってみましょう。



これはヨガにおいてまさに実践するべき教えであると私はいつも感じています。例えば、無理をして頑張り過ぎるのも身体に負担がかかってしまいます。かといって力を抜き過ぎてもヨガの効果を得ることが出来ません。その極端を離れた丁度いい塩梅を見つけていくのがヨガにおいてとても大切なことです。ヨガはどのポーズも四方八方に向けて力を伸ばして行きます。それがストレッチとの違いとも言えますが、例えば前にばかり意識が向き過ぎるとポーズが乱れ関節に負担がかかります。では後ろに行くと、気持ちよく呼吸が出来なくなってしまいます。前と後ろ均等に腕を伸ばしていく。そうすることで心地よく安全なポーズをとれるようになるのです。下に踏み込む力と上に伸びる力の中道。吸う息と吐く息の中道。集中とリラックスの中道。

安全で快適なヨガをするために中道はとても大切な教えなのです。
それでは実際にやってみましょう。皆様の中の中道を感じてみてください。
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